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ESHパッシブデザインツール

評価プロセスの解説

ESHパッシブデザインツールを用いた設計フロー

ESHパッシブデザインツール(以下ツールといいます)は、パッシブデザイン手法を実際の設計に取り組むことを目的として開発した設計支援ツールです。実務での活用だけではなく、学生から一般の方々にも十分使っていただけるよう配慮しています。
下図は、ツールを使った設計作業のフローを示したものです。左側の列に設計の段階を示し、右に向かって「設計プロセス」には、各段階での技術面での作業項目を示しています。次の「ベースモデル」の列は今回ご紹介する、ベースモデルプラン(Model01)の熱性能を指標とする評価手順での、オリジナルプランである設計住宅との関係を示します。最後の「活用ツール」は、kkjが公開するツール群をどの段階で活用していただけるかを示しています。

評価のプロセス

ツールを使ったシミュレーションの核となるのは、計算結果をどのように評価して、それをもとに改善の目標をたて、どのように設計や仕様変更の内容に反映させればいいのか、この判定までの一連のプロセスです。従来、この作業には、深い知識と経験による高度な見識が求められ、このことがシミュレーション初心者には高いハードルとなっていました。
そこで、初心者にもシミュレーションに取り組んでいただけるように、ベースモデルプランModel01の熱性能と、オリジナル住宅の比較を通じて行う評価方法を提案します。ツールにはあらかじめ出力項目を絞って、グラフや数値で熱的性能を示すためのレポート出力機能が備わっています。これを使って、次の3つの視点から分析を行い、比較・検討を行います。

Model01と設計住宅の熱性能を比較
分析1:自然室温・室温変動
分析2:暖冷房負荷量
分析3:設定温度超過時間

評価の事例

下図は、実践ガイドでご紹介した平屋住宅の事例から、評価のプロセスを箇条書きで示したしたものです。ベースモデルプランとは建物の規模や形態も違い、設計のコンセプトも異なるものですから、与条件の違いを勘案しながら比較する必要がありますが、ベースモデルプランの熱性能を目安として分析を行います。
①から③の結果は、ツールのレポート出力から簡単に読み取ることができます。この比較から分析を行い、判定を行い、改善の方向性や目標を定め、設計変更と仕様変更の候補を決定します。あとは、この設計・仕様変更とシミュレーション、評価を繰り返し行い、目標へ近づける最適化の作業を行います。
パラメータ(設計・仕様変更)は一度の計算で複数変更すると要因が不明確になるので、最低限の変更にとどめます。

この事例では、ベースモデルプランModel01と比べて、冬期の床面積当りの暖房負荷量が過大と判断し、冬期の室内環境の改善を目標としました。日射遮蔽の要因となっている庇を小さくし、断熱仕様の向上を図る判定を行っています。設計変更により、夏期への影響も確認し、総合的に妥当な判定であることを確認しています。
実際には、この判定のほかに、いくつかの設計。仕様変更案もシミュレーションを通じて確認していますが、その中で最適な案を選択しています。

詳しくは、実践ガイド 平屋住宅の事例を参照ください。 ページTOPへ