セミナー・見学会

見学会レポート

エコライフタウン練馬高野台

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-平成20年度 第1回住宅・建築物省エネルギーCO2推進モデル事業および
平成20年度 第1回超長期住宅先導モデル事業等 採択プロジェクト-

平成21年度 第1回見学会
開催日:平成21年5月21日(木) 13:30~17:00
参加者数:43名


今回の見学会は、パナホーム株式会社が「住宅・建築物 省CO2モデル事業」及び「超長期住宅先導モデル事業」の双方で第1回事業に採択された『エコライフタウン練馬高野台』で、池袋から乗り換えて12分、駅から徒歩6分という立地にたつ10棟(内1棟は体験宿泊棟)からなる都市型戸建て住宅団地である。
この団地の主な特徴は、クールチューブを全住戸に連続して敷設し、第2種機械換気システムの給気と冷気・暖気の給気を併用することで換気設備の省エネと、地中の自然な温度差を冷暖房に活用したもので、一般的なパッシブな省エネ住宅とは少し異なる新たな技術の取り組みである。

見学会に先立ち、パナホーム㈱東京支社で執行役員 技術研究所長 酒井敏光氏、中川氏、高橋氏から約1時間ほど事業の経緯と概略、提案の各省エネアイテムのレクチャーを受けてから現地を訪問し、3班に別れて3住戸の見学を行なった。

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■『エコライフタウン練馬高野台』の見学

現地到着は午後3時半頃でまだ暑い最中であったが、「呼吸の道タワー」と呼ばれる縦長給気口からは外気より3~5℃涼しい空気が噴き出し、1階から2階さらに屋根のトップライトへと住まいの中を流れる優しい自然の風で、こころなしか機械が作り出す冷気とは異なったまろやかな涼しさを感じることができた。

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■クールチューブシステムの開発

クールチューブのシステムの計画に当たっては、金沢工業大学垂水教授の指導を仰ぎ各種実験の結果、地盤面下2mにチューブを埋設しチューブ保護のために砂で保護して、建物の下にならない駐車場や庭部分としたとのことである。また、万が一部分的にクールチューブをやめる住戸が発生して分断した場合にも、性能が発揮できる様に計画してあるとのことであった。

施工時が丁度石油高騰時となったため、石油製品であるチューブは1万円/mで100万円/戸の費用となるなどモデル事業に採択されなければ採算上で実現不可能であったクールチューブシステムの開発技術は地熱利用の貴重な経験と財産となったことが説明された。

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■省CO2モデル事業の提案

モデル事業の提案では、クールチューブやハイブリッド換気システム以外にも遮熱網戸+LOW-E断熱窓による日射遮蔽・取得や「お知らせ節電盤(見える化)」などの総合的な省エネ・省CO2効果により、2,315kWh/年の省電力、984kg-CO2/年の省CO2で、経済的には約51,000円/年の節約が可能であることが謳われている。

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■その他の環境への取り組み

・カーポートへの降水・温度感知式自動散水装置による打ち水効果でヒートアイランド対策。
・雨水をタンクに溜めて庭木の散水や車洗浄への利用。
・セキュリティポスト

■省CO2事業提案の省エネアイテム

①ウォーム+クールチューブ
年間通じて安定した地中温度を利用して、地盤下2mに埋設したチューブからの冷気(夏)・暖気(冬)を室内に取り込み、極力自然の力を利用したやさしい冷暖房でCO2負荷を低減する。
②ハイブリッド換気(自然換気と第2種換気)
4平方cm/延床m2の開口を配して自然換気と、ウォーム+クールチューブによる第2種換気で春夏秋冬のパターン制御で冷暖房負荷を低減する。
③防暑換気設備
④遮熱網戸+-LOW-E断熱窓による日射遮蔽・取得
⑤高断熱シェルター(次世代Ⅳ地域仕様+開口部LOW-E断熱)
⑥お知らせ節電盤(見える化)
⑦環境貢献度シミュレーションによる適正かつ高効率のエアコンの提案

■〔超長期住宅先導モデル提案〕

維持管理システム「TVマイホームカルテシステム」
①建物引渡し後の住宅品質を継続すること
インターネット接続によるTVを「修繕履歴情報の窓口」として、供給者への問合せ、居住者への対応伝達方法とする。
②所有住宅に対する愛着の育成を図ること
③これらの住宅による団地を形成し、サスティナブル環境(=ふるさと)の形成を行い良質な環境と風土を構築すること

『エコライフタウン練馬高野台』閲覧サイト:
http://www.panahome.jp/e-esta/syutoken/takanodai/index.html

神戸ドイツ学院 及び ガーデンシティ舞多聞越谷レイクタウン >

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