住む・暮らす

くらしかた・すまいかた

Vol. 011:羽根木エコハウス04

1人1人が自分にできることを考え、行動に移すことから始まる

○これから環境共生住宅・エコハウスのような家を建てたい人にアドバイスを頂きたいのですが。

エコハウスには詳細な定義や型にはまった基準などがあるわけではありません。色々な内容が程度の取り組みがあって良いし、それぞれの取り組みによって、よい住み心地になるなど施主の努力はちゃんと報われます。エコハウスというのは、実は「良い家」のことで、身近なものなんです。

基礎や構造が堅牢なら建築の寿命が延び、結果的に建築廃棄物の発生を減らすことができます。断熱性能が高ければ環境負荷が減ると同時に毎月の電気代、ガス代も減ります。住んでいて快適で、急激な温度変化も少ないので老人の健康にも良い。こういったポイントを押さえれば、資産としての価値も高く、住みやすく、地球へ迷惑をかけるところの少ない家、つまり十分なエコハウス出来上がり、というわけです。

○いいところづくめですね。

そうです。住宅での環境対策も、良い家づくり自体も画然と区別されるものではなく、一つながりの行為なのだと思います。家づくりや生活を通して、できることはいろいろあります。
つまり自分のできる範囲でも、できることは色々あるんではないかと思うんですよね。だから、本を書いた時も、環境対策をメインにしながらも、住宅建築の施主の立場に立ち、役に立つと思われる実際的な知識やノウハウを述べています。わが家の取り組みはほんの一例ですが、本を読んだ人が、自分の足元でできることを考え、行動に移す際の参考になればと思っています。

○貴重なお話、ありがとうございました。

おまけ編 [あなたの家のCO2排出量を調べてみましょう!]

羽根木エコハウスから学ぶ家庭で削減できるCO2排出量

家庭でのCO2排出量を削減する為にも、まずはあなたの家の現状を調べてみましょう。

(1)各月に届く電気やガス、水道などの伝票を揃えましょう。
(2)伝票に書かれているエネルギー別の消費量に、表にある排出係数をかけます。
(3)エネルギーごとの数値を合計すれば、家庭内で生じている二酸化炭素の総量を出すこと ができます。

参考サイト:全国地球温暖化防止活動推進センター「家庭でできる10の取り組み(算定根拠)」
http://www.jccca.org/
<CO2排出量の形でエネルギー消費量を算出するメリット>

例えば、ある月の電気の消費量が増え、ガスの消費量が減った場合、省エネ度合いをみたければ熱量で計算し、お財布への優しさ度合いを測るのであれば料金を合計すればわかりますが、環境を壊さない方向になったかどうかはわかりません。しかし消費エネルギーをCO2排出量に換算して合計し、その推移を比較することで、環境への貢献度合いがわかります。

<CO2排出量を参考に現状を改善する方法>

エネルギー消費量の中には、季節に強く依存するタイプ(暖房・冷房)、季節に影響されないタイプ(家電製品等)があります。建物の断熱性能をあげて外気温の影響を受けにくい室内環境にする、または待機電力、節水などふだんの生活の中で意識して消費エネルギー量を減らすなど、それぞれの家庭にあったエコライフをはじめてみましょう。

※電気の数値などは、電気を販売する会社によって異なり、さらに年ごとに変動するものです。お住まいの自治体などで作っている環境家計簿に出ている排出係数、東京電力などの電力会社の環境報告書を参考にしてください。

家中の主だった家電の電力消費量をリアルタイムで表示するモニター。設備機器の進化・情報の見える化が、使う人の意識を変えていく。
エコハウス私論/小林光 著
ソトコト新書4
2007年4月(株)木楽舎発行 762円

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