鳥を呼ぶ植物
冬は昆虫の活動が極端に乏しくなってくるため、植物に生る『果実』は鳥にとって重要な栄養源になります。また、植物にとっても遠くまで飛ぶことのできる鳥による種子の散布は、植物の分散や育成に有利な結果をもたらすことが少なくなく、植物は自らの種の保存のため、鳥に食べてもらう工夫を様々にこらしています。 あなたの庭にどんな木を植えれば、鳥たちがやってくるのか、樹木と鳥の関係性を見てみましょう。

もちつもたれつ-植物と鳥の関係
植物は鳥が好む味の果実をつけ、熟すと目立つ色の果皮で実をつつみ、鳥に食べられるために、かれらを誘います。しかし、食べてほしくない時期には、目立たない色や小さな形、硬くておいしくない味や匂いなどで鳥の興味をひかないための工夫を凝らしています。



鳥に食べられた後、種子の中の胚(発芽して新芽となる部分)が消化されないよう、硬い殻で包んでいます。鳥の消化力は元来とても強いものですが、植物はその消化力にも負けないよう工夫をこらしています。

鳥は植物の実を食べて、その種子を運んだり、蜜を吸う行為を通して花粉を運んだりします。どちらにとっても利益がある関係です。このように双方が利益を分かち合う関係を「相利共生」といいます。
■生きもの(鳥)による種子散布のパターン
付着型動物散布 種子に粘着物や棘・カギ状突起を持っており鳥などに付着するもので、片利共生の関係になる。
食べ残し型動物散布 カラ類やカラス類にみられる貯食という行動を利用した散布形式。
ドングリ、マツ、クルミ類が該当する。
同食型動物散布 種子の周囲を鳥に食べてもらうことで、運搬される一般的な散布形式。

参考資料:「種子散布-鳥が運ぶ種子」(上田恵介著 築地書館)

実の成る木を植える

庭に緑が多いほど鳥は安心してやってきます。空を飛んでいる彼らは、緑があることを目安にして、ともかく立ち寄ってくれるからです。そして木を植えるなら、実の生る樹種を植えてみましょう。


■実のなる庭木の一例

アケビ(撮影:夢実) ナツヅタ(撮影:MAK) ツルウメモドキ(撮影:N.Iwamoto )
     
ヤマボウシ(撮影:パセ) ムラサキシキブ(撮影:紫月櫻香) ナナカマド(撮影:plus)

生きものいる庭づくり-害虫対策をどうするか?

1匹のシジュウカラは、1年間に12万5千匹の虫を食べます。(『野生鳥類の保護/(財)日本野鳥保護連盟 発行』による)また、別の調査では1匹のコガラは11万3千匹、エナガは9万6千匹もの虫を食べるという結果が出ています。
自然界には食物連鎖が存在しています。虫は木や草を食み、その虫を鳥が食し、その鳥を獣類や猛禽類といった上位の生物が食べる。生きものはやがて死んで土に返り、植物を育てる糧となるのです。

一 戸分の庭は限られたスペースですが、この食物連鎖の仕組みを利用しない手はありません。

虫が出た⇒薬をまく
鳥が来た⇒鳥に餌をやる

という2つの事柄を繋げて考え、

来た鳥に虫を食べてもらう ⇒ 薬も餌も必要なくなる


漁夫の利 ならぬ 無農薬の利 といったところでしょうか。
「絶対に農薬禁止」とは時と場合によるものもあるので一概に言えませんが、庭に虫が増えるころは鳥たちにとっては子育ての時期です。「食べ物を野鳥に提供する。」というくらいのつもりで、庭木への農薬散布を期間限定で控えてみてはいかがでしょうか?

サンショウにはキアゲハ、クロアゲハがよくやってきて産卵し、幼虫が育つ。

また生きもののいる庭づくりを考える上で、土づくりは非常に重要です。湿潤で良質な黒土は様々な生きものの暮らしを支え、冬にシベリアや中国の北東部から渡ってくるツグミやシロハラの重要な餌となる昆虫やミミズの生息場所にもなります。

 

 

 

鳥と共に暮らすためには、鳥を呼び込む工夫が必要になります。
まずは簡単なことから、呼び込む工夫を初めてみましょう。

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